グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

紛失していたジョン・レノンのギター、約3億円で落札。

ジョンレノンのギターに関しては元ビートルズのフロントマンの一人であり、

このとんでもない価格でギター一本が落札されるのもわかりますが、、、。

(昨今の楽器への投資ブームも含め)


デッドのJ・ガルシアのギター競売、3億円超を反差別団体に寄付

この記事を読まれている方で、ジョン・レノンはわかるが、ジェリー・ガルシアは知らないという方々が大多数ではないかと思います。(そうでなければ嬉しいです。)


経済的な価値だけで話をすると語弊があるかもしれませんが、

希少性や、その物質がもつストーリー等の価値を経済的な見方で表すと、同等の価値がある楽器という事が言えるかと思います。


そもそも、ジェリー・ガルシアって誰?どんな人?という話をする上で、

ジェリー・ガルシアが1995年に亡くなる迄、フロントマンとして属していた、「グレイトフル・デッド」というバンド、

それに合わせて、「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」という本の話をさせて頂ければ。


ライブは録音OK!音楽は無料で聴き放題。それなのに年間5,000万ドル(120円換算60億円)も稼ぐ。

40年前からフリーもシェアも実践するヒッピーバンド、それがグレイトフルデッド。

「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」の冒頭にあります。

グレイトフル・デッドは1965年にアメリカのカリフォルニア州で結成され、

時期的には、日本でも馴染みのあるビートルズやローリング・ストーンズなんかと大体同じ時期に活動を開始。


ただ、ヒット曲も殆どないし、ジョンやポール、ミックやキースみたいなスターもいない。

ヒット曲が殆ど無い、商業的なスターもいないにも等しいのに、アメリカのクリントン元大統領やMicrosoftやAppleの重役や、NBAのスター選手も「デッドヘッズ」を公言している人物は数多いらっしゃいます。


デッドヘッズとはグレイトフル・デッドのファンコミュニティに属している、信仰している方々の事を通称「デッドヘッズ」と呼ぶ。


「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」から、グレイトフル・デッドを読み解くと、作品だけでは測れない魅力や、仕組みがそこにはあった訳です。


デッドヘッズの方々曰く、グレイトフル・デッドの魅力はなんと言っても「LIVE」と語られます。


通常、アーティストはレコードを「売る」ためにLIVEツアーを組むかと思います。


ただ、グレイトフル・デッドはLIVE自体を「二度と無い体験」として提供し、ジェリー・ガルシアが亡くなるまでに2300回(!?)程行っている。


そのほとんどが「二度と無い体験」と言われるように、

毎回演奏手法も異なり、「1971年の○月○日☓☓☓のLIVE音源!」といった具合で、

曲名だけではなく、年代とLIVEと会場まで当てるデッドヘッズも少なくありません。


デッドヘッズは何百回もグレイトフル・デッドのLIVEを見に行き、また、共通の感性をもつ人々のコミュニティもそこには誕生する事になる。

人が集まる事で飲み食いを行い、寝所や移動を共にし経済が生まれる。


彼らの全米ツアーと一緒に行動しファンを相手の商人たちが、後をついていく放歌的な生活者もいる。


また、グレイトフル・デッドには、大きな基本思想として「フリー・シェア」といった概念がある。


当時でもそうだが、今でもほとんどのバンド、アーティストがライブ中の録音を禁止しているかと思います。


そして、グレイトフル・デッドは、ファンに録音を許可しただけでなく、良い音質で録音できる場所に機械をセットできるようにテーパーセクションという客がより良い音で録音できるスペースも設けました。


録音テープを交換し合うファンの膨大なネットワークが出来、また多くの人がテープを聴いてライヴに訪れ、さらにファンになっていくという現象ができあがった。


このテープの交換を行うテープトレードという文化も、暗黙の了解で、テープの対価はテープというデッドヘッズ同士のトレードもあり、瞬く間にグレイトフル・デッドの名が広がる要因にも。


これは最近の様々なクラウドサービスに通づる部分も多く感じて頂けるかと思います。


数年前から持て囃されたフリーミアムと呼ばれたGoogleや、Dropbox、Spotify等の

基本は無料、それ一定条件で課金といったServiceも、60年代から実践されていたと思うと、また、日々利用しているServiceのモデルケースのようにも感じます。


非常に高い演奏技術によるジャムバンドとしてだけではなく、

この前代未聞なスタイルが多くの人を魅了していったバンドの魅力でありコンセプトであった。

また、直接的に商業的な成功を得るわけでもなく、文化として根付かせ、回り回って、結果的には3500万枚のセールス、そして、版権管理も60年代という過渡期の中バンド内で管理を行い、高い収益性も誇っていて、結果的にはビートルズ、ストーンズよりも稼いだバンドとも言われている所以でもあります。

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